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今提供できる最高のビールは何か?〜「Hi-Time」OPENから1週間のお礼とまとめ(前編)〜

8月8日にオープンした大森山王ブルワリー ビールスタンド「Hi-Time」。
オープンから1週間が経ち、7日間で1,000名を超える方にお越しいただきました!

何が嬉しかったって、思い思いの乾杯シーンを目の当たりにできたことです。この状況下でそれぞれのお客さんがこの時間を楽しんでくれていた、そんな場所を作ることができて、この場をお借りして、お越しいただいた方、あらゆる関係者の方へ感謝申し上げます。

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コロナ禍(1)にクラフトビール持ち帰り専門店(2)をオープンという、2つの軸から、メディアの取材なども受けることができ、SNS、地元での露出などと相まったこともこの来客数に大きく関わっているなと感じました。

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正直なところ、オープン前日まであまりこのような姿はイメージできていなかったし、オペレーションすら当日に決め、2日目、3日目と日々改善しながら今日までやってきました。なぜこのような形になったのか、これからチャレンジする方などに参考になるかなと思う部分もあるので、記してみることにしました。

それはシチュエーション的な全体はもちろんなのですが、何よりも関わる人たちがあってこそだと感じるので、前編は全体でおさらいをし、後編は人にフォーカスして、記します。

■なぜ、この場所で始めることになったのか

まず、今回借りているビールスタンドの場所は、大森池上通り沿いにある1昨年前にカドヤスーパーが駐輪場として使っていた場所で、約2.7坪(約9平米)という、お店をやるにはなかなか難しい場所です。そんな中、僕らは夏の繁忙期、暑い時期を目の前にしていた冬に、冷蔵庫を置く場所を確保したいと動き出し、商店街の理事たちのおかげでこの場所をお借りすることになりました。

今でも覚えていますが、実際に借りるに当たって、当時は2月〜3月、コロナウィルスの影響が見えない中、「家賃はすごく負担になってくる可能性があるから、今できる(見える)最小限の投資で始めた方がいい」と、本来であれば賃貸物件としては出ていない、この場所を用意してくれました。商売をし続けてきた人たちだから言える言葉であると思うし、これまでアキナイ山王亭で活動を続けてきたからこそだったなと思います。

冷蔵庫だけでは少し物足りないので、せめて家賃負担を少しでも減らせればと、持ち帰り販売や試し飲みくらいはやれないかと考え、設計・施工に入っていきました。それは5月〜6月くらいのことでした。如何せん初めてお店を出すので、この時はほとんど店の未来に関してはあまり考えておらず、早く冷蔵庫用意できないかな〜くらいでした。

■今回のビールスタンドの方向性が見えたきっかけとクラフトビールのギャップ

その流れでアトレ大森での催事が7月17日から始まります。ここでの経験が実はすごく今回のビールスタンドに役立っています。昨年末5日間でのアトレ催事での販売は結果的に大成功で、そのせいか、今回は10日間、まあ倍まではいかなくとも1.5倍くらいは売れるだろうと高を括っていたのですが、結果は前回の5日間の売上すら超えることができませんでした。

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なぜか、それは、その時の雨だらけの悪天候やコロナによる来客数の減少はあったかもしれませんが、昨年末は、年末年始の誰かへのお土産としてご購入される方が多く、それは言ってしまえば、自分への投資の800円(我々のビール1本あたりの価格)ではなく、必要経費的な800円だったわけです。でも、今回の7月は贈り物需要は少なく、どちらかというと自分に買う方が多い中で、飲んだこともないものに、800円というのはなかなか難しいと感じ、急遽、サーバーを置いて、試飲(有料)ができないかと相談したのですが、時期柄やはりできませんでした。

僕らは味も知っていて、飲んだこともあり、そこまでにかかっているコストや労力を知っているからつけているし、買おうと思う価格であっても、それはお客さんの感覚とは違う。普段、大手メーカーなどのビールに触れている人がいきなり800円というのは相当高い壁で、そのギャップに1年間気づかずに来たとこの時に気づいたのでした。それと同時に、量が少なくとも、もし500円で提供できたら、もっと興味を持ってくれるのではないかと感じたのです。

なぜ、500円か、普段、缶ビールを200円で買っていても、祭りやスタジアムなど外に出てイベント気分になれば、同じ量・種類のビールに500円出して買う。つまり何か特別な環境であれば、500円でもビールを買う。しかもクラフトビール市場が約1〜2%ということは、100人のうち、98人が飲んだことがない可能性がある。

それであればもしその人たちが500円でクラフトビールをイベント感覚で楽しめたら、いつもと違うと感じ、美味しい、と感じてもらえるのではないか。そこで、「500円でクラフトビール」が体験できるをこの店のメインに持ってこようと思ったのです。これはおそらく7月20日くらい、もうオープンまで3週間前のことでした。

■コロナによって生まれた地力

それと同時に、僕らはこのコロナの中で、昨年も売り上げの多くを占めた、イベントすなわち樽での販売を行っていませんでした。樽とはドラフトビールすなわち、「生」と言われるやつですね。(厳密には生ビールとは加熱処理をしてないビールのことなので、瓶でも厳密には生ビールなのですが・・・)それでも、地道にネット販売の売上をあげ、SNSでも色々とスタッフの力を借り、クラウドファンディングやアトレ催事など、瓶販売だけでこの半年勝負してきました。

それで7月にはほぼ昨年の月次数値に追いついたことで、体力がついてきたなと実感してました。これからは徹底して「生」ビールを販売できる。それが確信に変わったのが、オープン当日です。

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これは、オープン当日、スタッフだけで開栓式をした時の一口目の顔です。ビールのうまいこと、うまいこと。もちろん自分たちのビールには自信を持って販売してきてましたが、外、暑さ、ずっと「生」を飲んでない、そして今は売りにしてますが、注いだ瞬間のビール、うまさ80%増しでした。

ちょっと話は変わるのですが、僕が感じるこの時代に1番大事な姿勢って、「決め切らないこと」なんじゃないかと考えています。それと同時に「これだけは決めておくこと」も大事で、先にもあげた、「500円でとにかく美味しいクラフトビール」が体験できる。だけは決めて、それ以外は決めない。だからお店をあけながらでも改善し続ける。僕が決めないと、手伝ってくれるスタッフたちがそれぞれ考えて、行動する。それは今回関わってくれたサンデーカンパニーのメンバーたちのすごさでもあるのですが、もし2、3月の時にもし決め過ぎていたら、このような形にはなっていなかったのかもしれません。

そんなちょっと相反するような概念がきっと必要なんだと感じました。

■「Hi-Time」の魅力

なぜ、「500円でとにかく美味しいクラフトビール」が体験できる。ここで言う、「美味しい」と言えるのか、それがこのお店の魅力になっていると思います。

1)注ぎたてのクラフトビールを最速で届けられる
うちはとにかく狭い店ですが、その分、注ぎたてのクラフトビールを直接手渡しできる、これは他にないメリットだと感じました。普通、例えばお店だと3人分とか注文が入れば、ビールが揃うまで、客席に届けるまでに時間がかかり、その分泡が沈んだり、空気に触れて新鮮さが損なわれてしまう。

一例をあげると、今はオペレーション上、お客様が会計が終わり、レシートを財布にいれる瞬間にビールを注ぎ出します。そうすると慌てふためき、時間が経って泡が沈んでしまうのを防ぐことができます。この注いでから届けるまでのスピードが何よりウリです。

2)まちが副原料である
お店だとお店が決めたシチュエーションでビールを飲むことになりますが、うちは、もらったビールをどこで飲んでもいいのです。公園、路地裏、歩きながら、その人が好きなシチュエーションで飲めるのです。これがうちのビールの最大の副原料となっています。

3)まちが客席である
「当店は客席数60万席です!」とは冗談ですが、席数が無限です。席がないテイクアウトやネットの店はもちろん当たり前なのかもしれませんが、うちの場合、まちのどこでも飲めます。お店であれば席を動かすことは出来ないけど、うちの場合、お客さんが好きなところに席を作ることができる。言ってしまえば、2.7坪のお店でも客席を作ることができる。

今回、お客様の中には、「もう4ヶ月くらい生ビールを飲んでいなかったけど、ここならいいかなと思ってきたけど最高だった」と言ってくださった方がいました。それぞれ今できることは何かを考え、足を運んでくださった、そんな環境だからこそ、美味しく感じてくれた部分もあると思います。

だけど、先に書いたように僕らは、今年ほぼ樽のビールを売ってないんです、ほぼ瓶。それでなんとかやってこれた。僕はビールを口にしてもらった瞬間の顔が見たいし、そこからコミュニケーションをしたい、だからこそ瓶しか売れなかったのは非常にやりにくかった(販売した後の顔が見えにくいので。)のです。その欲望が無くなったなら地域でビールなんてやらない方がいいとすら思っています。

そんな今できる最大のコミュニケーションとビールを提供できる場が「Hi-Time」なんではないかと思っています。深い交流はできないけど、「Hi」と挨拶するような関係ですね。そんな場を選び、足を運んでくださった方々に感謝をしたいと思います。

と、振り返るとこの辺りは全て、このコロナ禍だからできた、僕らなりのニューノーマルであり、とにかく地元の人たちに愛されることを目指してやってきた、ハイパーローカルが生むグローバルな場です。

これは、ファンベースという考え方で学んだ、ファンを大事に物事を進めるというのと近いと思っていて、地元の人たちに愛されることこそが、最大の近道であり、飛距離に変わるってことかと思います。そんな思いは変えずに、でも「楽しみや美味しさ」はこれからも変わり続けながら、「Hi-Time」の運営をしていきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

この8日間、ちょうどお盆というのもあったかもしれないけど、運営を支えてくれたサンデーカンパニーのスタッフあってこその「Hi-Time」です。本当に気持ちのいい仲間で、何よりもお客さんがどう楽しく感じれるかを最大に考えて動いている姿がとても嬉しく感じています!ありがとうございましたと同時にこれからもどうぞよろしくお願いいたします^^

そして、このような全体の流れがあるのは、そんなスタッフを初めとした「人」たちの思いや行動があってなので、そちらにフォーカスした「今提供できる最高のビールは何か?」をお届けしたいと思います。よかったらご期待ください!

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